安井 泉 先生(筑波大学名誉教授)より英語学論説資料の推薦文をご寄稿いただきました。
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『英語学論説資料』の中には、各年度に発表された全国の大学の紀要論文がありのままの姿で、
小さな書庫として保存されています。ともすれば散逸してしまう論考が、分野別に整然と分類を されて、研究者との出会いをまっています。 論文を書こうとしてあたためている漠然としたアイデアは、先人たちの知恵との出会いによって、 より洗練され高度なものに磨き上げられるはずです。 |
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CD-ROMの論文検索は、論文題名、執筆者名、キーワードなどを手がかりに50年近くにわたる 研究論文を集めた「知の総体」の中から、瞬時に関係する論文を拾い出します。 図書館の中で、全国の紀要の冊子をもとめて右往左往するのでは、いくら時間があってもとても できない『スゴ技』をあっという間にやってのけます。 先行研究に見落としがあるのではないかという不安もこの作業で瞬くうちに解消できます。 |
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冊子を手にとって開くことにより、研究者たちが、 どんな題材に心をときめかせているのかを鳥瞰する こともできます。 新しい視点へいざなってくれるのは、この寄り道ほど 頼りになるものはありません。 寄り道こそが近道なのです。 |
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論説資料を手に取るのは論文を参照するときだけでなく、思いがけず新たな発想を得ることにも 繋がります。なるほどという論文は受身でしか読めませんが、自分だったらもう少し別の考えをす るだろうと思わせる論文は、創造や綿密な調査への意欲をかき立ててくれます。 関係ないと思っていた題材にこそ、行き詰まりを打開するカギが潜んでいるものです。 |
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図書館の片隅にうすいピンク色の横長の冊子が 並んでいる一角を見つけると、ふしぎと懐かしい 思いがします。 何しろ、半世紀も前から、その一角は図書館に あるのですから。 |
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